はい。表題通り、Aliexpressにて購入した、UV-C LEDを3個搭載した基板(USB昇圧基板付き)を100均LEDライトのガワにぶちこんで除菌ライトを作ってみたって感じです。
簡単にまとめてしまうと上の二行で終わってしまうんですけど、ここまでの苦労とかを残すために軽くブログに書きなぐらさせてもらいます。
UV-C LEDについて
まずUV-C LEDについてですが、UV(紫外線)と言ってもA,B,Cにだいたい大別されます(もっと細かくしようとすればできるけど面倒だし長くなる)。
UV-A波は400~315nm、B波は315~280nm、C波は280~200nmの波長を持つものと定義されています。
A波はB波によって生成されたメラニン色素を黒化させ、また真皮まで到達するため肌の老化とも関係があるようです。また地上に降り注ぐ紫外線の99%がこのA波です。日焼け止めのPA値が、A波をどのくらい防ぐのかという数値になります。
B波は皮膚の細胞に働きかけてメラニン色素およびビタミンDの生成を促し、皮膚が赤くなるいわゆるサンバーンを引き起こします。日焼け止めのSPF値が、B波をどのくらい防ぐのかという数値になります。
C波は紫外線のなかでも最も波長が短く、また生体への攻撃性が非常に高いです。10分ほどシャーレに照射すれば、そこにあるありとあらゆる菌やウイルスはほとんど殺されます。直接DNA・RNAの構造を破壊するそうです。太陽光にも含まれますが、ほとんどがオゾン層で吸収され、地表に届くC波はほぼゼロだと言っても良いでしょう。このUV-C波のうち265nm付近の波長で殺菌能力がよく発揮されるらしく、そこに近い275nmにピークを持つ今回購入したLEDは非常に殺菌能力が高いと言えるでしょう(本当に275nmが出ているなら)。
昔は水銀式の紫外線ランプがよく用いられていたようですが、水俣条約で水銀はほぼ排除されるのでLEDが出てきたのはいいことですね。
その今回購入したLEDライトがこちら。Aliexpressで類似品は多数存在しますが、この販売ページのものを選んだ理由は、単純に送料が無料だったからですね。重要ですよ送料無料。
商品画像 LucBeiとかいうメーカー?らしい |
商品画像をまんま読み取れば、275nmのUVC LEDを3つ搭載しているようです。あとCREEって刻印があるので本物ならCREEのLEDなのでしょうか。そして後ろに写っているUSBからの電源基板。これは類似品があるだろうなと思って探したら簡単にヒットしました。AliではなくBanggoodでしたが(これ)。あと日本のAmazonにも5個入りとかで売ってました(これ)。そしてこの基板、どうやら昇圧基板のようです(もちろん挙動の確認もしてるから知ってるけど)。2~24Vの入力で、5~28Vが取り出せるみたいです。
…XL6009という搭載されているICチップの名前で検索したらわんさか類似品とか自作品とか出てきました。色々作れるやつみたいですね。
改造元の100均LEDライト
さて少し話がそれましたが、上記のUV-C LEDを搭載する改造元の100均LEDライトくんです
。なぜ100均のLEDライトをわざわざ使うのかって、それはコストダウンですよ。
案外電池ボックスだけで100円超えますからね。100均でLEDライト買ってくれば、電池ボックスとガワになる箱が手に入るわけですから、こちらのほうがコスパが良いわけです。
それがこちら。
今回の改造のいけにえくん |
4灯・プッシュ式のONOFFボタンを備えた(あと背面に磁石もある)LEDライトですね。電池は単4電池×3を搭載できます。
さてさて分解していきます。
このようにマイナスドライバーなどを隙間にグリグリねじ込んで、下に押し下げます。パカッと開くタイプではなく、上からカポッとはまっているタイプなので、押し下げます。
下にぐいっと |
開けた直後 |
レンズ…というか直接LEDに触れないための、あとスイッチに接触させるためのクリアパーツをどかして
4つのピンで軽く固定されてる |
集光用の銀色のプラスチック製部品を取り外すと
ばらばらー |
こんな感じに。
意外だったのが、一応30Ωの小さな抵抗が使われていたことです。
大体100均の製品なんてLEDを直接駆動させてるもんだと思っていたので、完全に正しくないとはいえこの抵抗によって0.15A程度に電流が抑えられるため、電流制限抵抗としてはまあある程度の役割を果たしているのではないかと思います。
あとスイッチが付いているのでこれが流用できれば電池ボックス+ガワ+スイッチと明らかにパーツ屋で買うと100円を超える部品が手に入りました!
改造編
前項で分解できたので、早速基板を取り外します。
基板を取り外したところ バネが残ってる |
配線も流用しようかと思っていたのですが、あまりに貧弱そうだったので手元にあった0.3sqの線で配線を一新しました。
その一部 |
ヒートシンクは仮付け |
あと、せっかくなのでスイッチは流用してがんばって空中配線してみました。そのおかげで使い勝手は向上したと思います。スイッチ大事。
スイッチ付近 ピンぼけしてるけど |
詳細はおまけに記載しますが、それなりに発熱するのでヒートシンクを取り付けた状態で大まかに位置を決めました。まあ大体こんな感じかなぁと。
仮組み |
次に、LED基板を取り付けるためのアルミ板を加工します。LED基板は表面に取り付けるため、板を通るのはヒートシンクだけになるのでヒートシンクの大きさに穴を開けます。
まあ加工っていってもペラいものを使ってるので千枚通しで軽く跡をつけて、そこに適当な細めのドリルで穴を開けていって、穴の間をニッパーで切り落としてからその跡をゴリゴリやすりで削っていっただけですが。
比較的細目のヤスリを使ったので、そのまま使えるくらいにはなってます。
穴を開けた直後くらい |
このあとヒートシンクが通りにくかったから穴を削って広げた |
こんな感じにLED基板を取り付けます。
ワッシャーこっち側で合っているのかわからんけど |
で、現物合わせをしていたら、ヒートシンクとLED基板からの配線が干渉することが発覚。なので対角を干渉しないように削りました。
見にくいかもしれないけど少し削ってある |
そして、そのままだと下面をうまく取り付けられないのでこちらも適当にアルミ板を切って土台を作成。千枚通しで穴を開けて元々あるピンに取り付けられるように…したつもりだったんですが、ずれて微妙なことに。
切り出して千枚通しで穴を開けた板 |
取り付けたようす |
ようやく各部品の位置が大体決まったので、USB電源基板とスイッチをホットボンド(グルーガン?ホットメルト?)で固定。扱いなれていないのでめっちゃ雑ですが。
正面?から ぐちゃぐちゃやね |
側面 こっち側しか留めてないけどまあいいかなって |
あと、一応各はんだ付け部も保護しておきました。意味あるかどうかわかんないけど。
配線部の保護 |
スイッチ部分の補強 空中配線だったからちぎれると大変なので |
そして、ヒートシンクを(一応)熱伝導両面テープで固定して、
ヒートシンク取り付け後 下のアルミ板とも熱伝導両面テープで固定する |
上下を合わせたのですが、非常にバランスが悪く、熱伝導両面テープだけでは固定できなかったのでハーネステープで4箇所固定。
真横から |
斜め上のアングル スイッチとmicroUSBコネクタ部は露出させました |
これにて完成です!!これは稼働中の写真。一応注意なのですが、これが本当に275nmかどうかはさておき、少なくともUVが出ているのは確かでしょうから、直接見ることはしないでください。簡単なゴーグルでも十分防げますので。
稼働中 一応光っているのが見える…かな? |
あと、一応いつも使っているヘアブラシにしばらく(30分くらい)照射してみたところ、殺菌されたようなニオイ(なんとなくわかりますかね、あの感じ)がしたのでおそらく少しは殺菌できているのではないかと思います。寒天培地で試せって?寒天培地なんて普通のご家庭にはないんだよ
おまけ
しょうもない情報ですが、今回使った接着剤、それぞれ別のものを使用しています。
・上フタ-アルミ板 :エポキシ接着剤
・LED基板-ヒートシンク、ヒートシンク-下アルミ板:熱伝導両面テープ
・下アルミ板-電池ケース部(下部フレーム) :セメダインスーパーX
・USB基板/スイッチ-下部フレーム :ホットボンド
こんな感じに。
ちなみになんですが、今回使ったUV-C LED基盤、裏がアルミになっているところから推測もできたんでしょうけど、テスト稼働時に結構アチアチになったので急遽ヒートシンクをつけるはこびとなったわけです。あと上フタに固定する部分がアルミ板になった一因だったり(もともとアルミ板にするつもりも5割くらいあった)。
あと、あのUSB昇圧基盤の出力電圧は、6.25Vに設定されていました(テスター読み)。商品ページの下の方につらつらとあるデータシート的なものを読むと、6.25Vでの駆動でI=0.1Aとあったのでそれを狙ったのかな?
ちなみにそのデータシートを読むと、一応277nmにピークがあるように見えます。 さらにしょうもないことですが、世にいう透明なもの(ガラスとかポリカーボネート[PC]とかメタクリル酸メチル[PMMA]とか)の大半は、だいたい紫外線をある程度遮断します。
特に短い波長になればなるほど透過率は下がってしまうので、今回扱ったUV-C波はなにかしらのものを表面にかぶせてしまうと結構吸収されてしまいます。なので、LED本体を覆うカバーレンズもクォーツまたはサファイアとなっています。
一番最適なのは蛍石…というかフッ化カルシウム製のものです。あとは石英ガラスなんかも透過性がいいですね。ちなみに蛍石(人工て透明なもの)と石英ガラスはほとんどの波長に対して透過率が高いです。なのでカメラレンズにも使われたりしてるみたいです。
特に短い波長になればなるほど透過率は下がってしまうので、今回扱ったUV-C波はなにかしらのものを表面にかぶせてしまうと結構吸収されてしまいます。なので、LED本体を覆うカバーレンズもクォーツまたはサファイアとなっています。
一番最適なのは蛍石…というかフッ化カルシウム製のものです。あとは石英ガラスなんかも透過性がいいですね。ちなみに蛍石(人工て透明なもの)と石英ガラスはほとんどの波長に対して透過率が高いです。なのでカメラレンズにも使われたりしてるみたいです。
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