2021年2月9日火曜日

Schiit Bifrost(旧)のレビュー(The review of Schiit Bifrost1(not Bifrost2 and Bifrost Multibit))

 旧型だし需要があるか怪しい…というか多分需要ないと思いますがせっかくヤフオクにて22000円くらいで購入したので、SchiitのBifrostをレビューしたいと思います。

 まあ所詮HD598とQ701で満足して(いるわけではなく音場の広い密閉型ヘッドホンを探してはいるけど)いる安い耳なので参考程度に…といっても旧型だからなぁ


私のオーディオ環境

 私が所有したことのあるDACはMusicStreamerⅡと、オーディオンターフェースになりますがNative InstrumentsのKomplete Audio6(MK2じゃないよ)くらいです。そのうちKA6は現行で稼働中ですがMSⅡは壊れちゃってます。あと、ウチのDAPであるDX90JはDAC機能とライン出力を搭載しているしそれも含まれるかな?

 ヘッドホンアンプはOrtofonのHd-q7です。上記DAC(DAP)につなぐときはどれでもこれにつないでからヘッドホンに出力しています。
 RCAケーブルはモガミの2534を使用した自作ケーブル1m(端子部分はAmphenol)でBifrost(と壊れる前のMusicStreamerⅡ)に接続しています。一応ヘッドホンアンプ側にノイズが流れないようにDAC側のみシールド線をコールドに接続してあります(これどういう方式だったっけ)。4つの芯線は2本ずつ束ねてそれぞれ接続してあります。
 KA6との接続は、6.35mmヘッドホン出力端子に3.5mm化の下駄を履かせてBelkinの3.5mm-RCAケーブルを使っていました。
後ろに見えてる赤いのが付いてるのが自作RCAケーブル 色分けし忘れたのでLR判別不能
あと色々見えてるけど気にしないでね 一応防振でアスファルトシートを下に敷いてます


 PCとの接続は、一応Stereo誌付録のUSBノイズアイソレータを間に挟んであります。ケーブルとしてはアイソレータ-PC間はAmazonベーシックの金メッキ1.8mのもの、アイソレータ-DAC間はBelkinの30cmのものに適当にそこらへんにあったフェライトコアをくっつけたものを使用しています。
超雑な固定をされているノイズアイソレータくんとケーブル


 さらに一応、米国向け製品であることを加味して、115Vへのステップアップトランス(メルカリにて4000円で購入したSU-6)を使用して電源を確保してあります。(まあアースしていないし6個口の電源タップに接続してるしで、とても音質に配慮したような電源状態では無いけどね)(あと電源ケーブルは旧PCの遺留品電源コードを使用しています、太いからいいでしょたぶんあとアース線出てるし)
設置後なうえちょい汚いのはご愛嬌


 とにかく、環境としてはこんな感じです。
 比較的プア…というより雑なPCオーディオの環境ですね。


REVIEW

 音質レビュー前にBifrostくんのスペックをば。
 DACチップにはAK4399を搭載、電源内蔵式でRCA出力のみの純粋なDACです。
 デジタル入力はUSB・光・同軸の三種で、前面のスイッチで切り替えます。
 入力は32bit/194kHz対応(USBのみ)で、SPDIFは規格上24/192が限界みたいです。
 
 TNT-Audioさんのレビューに載っている画像から予測すると、トランスで115Vからある程度(多分5Vだと思うけど)に降圧し、フルブリッジかハーフブリッジのダイオード回路で直流に変換してるみたいですね。(ただなんかICチップが見えるので多段式?のMOSFETによるスイッチングレギュレータかもしれません)(だったらスイッチング式ACアダプタとほぼ変わらないですね、よっぽど周波数が高くない限り、もしくはキャパシタとかいいの使ってるのかな?それくらい)
 あと電源のインレットにノイズフィルタが入ってますね、たぶん。
 基盤右下のRJ45っぽいコネクタはたぶんマルチビット化する際に使用される基盤のプログラム更新用に設置されてるんでしょうね。
 USBは元々オプション扱いだったそうで、別基盤になってます。
 他には、フルディスクリート(!)のアナログ回路部分も別基盤となっていて一応の区域分けはされているっぽいです。
 あとはどっか(アナログ回路部分?)におそらくリレーが載っています、入力先を変えたりWindows標準ドライバからWASAPIに変わるときとかサンプリングレートが変わるときにカチって音がするので。(目的はわかりません、有識者ならわかるんだろうけど)でもカチッってリレー音がするのはロマンあっていいよね。
©TNT-Audio bifrost3.jpg 元ページ
引用元画像は変更できないので雑手書きにて説明。
文字が小さいのは元々のクセなので拡大してください。



 さてさて本番、音質のレビューです。とはいっても比較対象は壊れる前のMusicStreamerⅡ(PCM1793)とKompleteAudio6(たしかWolfsonのDAC、24bit/96kHzまで)、DX90J(ES9018K2M)くらいしかありませんしHd-q7通してるのでそっちのクセも出てると思いますが。
 実質AK4399のレビューなのかなぁ、とも思ってしまいますが私としてはDACはチップだけでなく後段のアナログ回路も音に重要な役割を果たすと考えているので、フルディスクリートのアナログ回路を持つBifrostと他のAK4399搭載機は音が違うと思っています。
 
 あと変な形容とかせずに簡素にレビューしますね。

 まず気づいたのが解像感です。音場としてはKA6+αくらいの感じですが、今までは見えていなかった部分も見えてくるような、そんな感じがします。
 HD598・Q701双方で感じ、また音源を変えても感じたことなので今までのものより解像感が高いことは確定でいいんじゃないかと思います。今まで聞こえていたものが聞こえるようになった!ってほどではありませんが、元々聞こえていた音のうち埋もれがちだった音が、はっきりとした輪郭をもって聞こえるようになった、って感じです。裏のドラムとかベースとかが比較的顕著ですかね。
 
 あとは、上記したとおり少し音場が広がったように感じます。その音場感ですが、今までのものが遠方にもやがかかったような感じであるのに対し、Bifrostは遠くまではっきり見通せる感じがする音場感を持っています。

 また、音自体の性質としては、比較的素直な味付けの無いフラットめな音だと思います。音源自体の特性をそのまま持ってくるので、例えばYoutubeで再生したような質の悪いデータだとその質の悪さをそのままヴェールにかけることなく出力します。
 音の定位についても、素直であると感じました。解像度が高いので、元があやふやなものはあやふやなまま、ビシっと決まっているものはしっかりした定位についていると感じました。
 
 あ、ただ、どちらかと言われればヴォーカルというよりインスト向きだと思います。声がはっきり聞こえる、というより全体的にはっきり聞こえるようになるので、声を押し出す感じではないからです。(まあ、大きく音を変えたいんだったらおとなしくヘッドホンとか出力側変えろって話ですけどね)

 最後にひとつ画像を添付。私の環境での設置状態です。
こちらもHd-q7同様下にアスファルトシートを敷いています。
音質向上効果があるかは知らないけど。

 隣にあるのは24.5inchモニターなので、お手元のモニターサイズが近ければサイズ感などが多少ならわかるかと思います。後ろの写真?狭すぎて撮れませんでした…



 と、いった感じで終わろうかと思います。
 総評としては、はっきりとした音で、音場もそこそこ広く、素直で元気なDACだと思います。
 元価格が399ドルだか499ドルなので、25000~30000円位の価値は今でもあるかと思います。安く見積もっても17000~20000円位は出す価値はあるかと。

4 件のコメント:

  1. こんにちは。
    Bifrostの情報探してて辿り着きました。
    ヤフオクで、実はあの晩、私も狙ってたんですが、みるみる金額が上がっていき・・・
    そうですよねえ、Bifrost2かMultibitと間違えた方が競ってるんだろうなとは感じてました

    さて、私はmodi3+を持ってるのですが、手元のオーディオインターフェース/Fireface400やEcho Audiofire4などと比べると、フラットというよりは多少ではありますが帯域狭めで中域に盛り上がりがあり、メリハリもついた音で、モニター系とはちょっと違う楽しい音作りだなと感じてます。
    Bifrostにはそんな感じはありませんか?
    レビューを見させていただいていると、その時点では、Bifrostに対してフラットなモニター系の音作りだと感じてみえたのかと・・・
    そのあたり、半月ほど使われて感じられたことがあれば、お聞かせ願えたら嬉しいです。

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    1. わわわ、一月近くコメントに気づかなくてごめんなさい!
      こんな場末のブログなんかにコメントなんてつかないと思い込んでいたので…

      さて、一月半使っての感想ですが、大きく変化してはいません。
      元々中古なのもあってエージングは済んでいたでしょうし。

      私が現状比較できるモニター気質なものは、記事の通りKomplete Audio6(MK2ではない)なのですが、たしかに言われてみてもう一度聞いてみると、比較的聞き心地の良い音域の輪郭をはっきりさせているように感じます。音が濃くなったというか、それを楽しい音作りというのかもしれません。

      自分の中では、勝手なのですが、フラット≠モニターと考えていて、モニター系とは音の解像度やフラットさがありつつも音場は狭めで、定位が良く、あくまで確実に一つ一つの音を拾っていく感じで比較的角の立った音である、と定義付けています。
      それに当てはめるとBifrostは音がフラットめであっても音場が広めで、元気な音であり、音の角が立っていないので定位が(モニター系と比べると)甘めで、聞き疲れしにくい音になっているように感じているので、ご指摘どおりモニター系であるとはいえないとおもいます。わかりにくい文章ですみません…というかこの定義説明してませんしね…

      Komplete Audio6のDACはたしかWolfsonのものが使われていたはずなのですが、24/96までの対応であることももしかしたら関係しているかもしれません。
      手元に32/192の音源が一つしかないので確実な感覚ではないかもしれませんが、それでの比較でも大きく評価が変わることはありませんでした。

      妙に長くなってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。

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    2. わざわざコメントいただき、ありがとうございました。

      実は、その後、私はヤフオクで、Bifrost(旧/AK4399)と音質が近いと言われているmodi(初代/AK4399)を手に入れまして、modi 3+(AK4490)と聴き比べをしてますw
      これらの機種はUSBバスパワー駆動なため、外部リニア電源を接続して比較してますが、modi(初代)のほうが上下のレンジが狭めで、音が柔らかい一方、音楽の起伏は良く出してくれてる印象です。
      おそらく、るふぁいあさんが感じられたのと同じような感触なのかなあと・・・
      一方、modi 3+のほうがレンジが広く音も締まって元気がよいのですが、言い換えれば、Schiitらしさが薄れ、他社の今風のDACっぽい音になっているように感じました。
      このあたり、おそらく、るふぁいあさんも先々はDACの買い替えを考えられるかと思いますが、Bifrostは売却せず、曲や気分によってDACを取り替えて楽しむのもアリかなと思いますのでお伝えします。

      Schiitという会社は、その社名や方針から海外でも毀誉褒貶が激しいようですが、割と私は音作りが気に入ってて、将来的にはMultibit DACも入れてみようかと思っています。
      おそらく、創業者のお二人が辞めない限りはこうした音作りを継続されると思いますが、るふぁいあがお気に召せば上位に音の良いと言われる製品もありますし、お気に召さなければ、世には様々なメーカーと音がありますので、肌に合う良いDACが見つかりましたらいいですね。

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    3. そうなんですね!
      まだしばらくDACを新規に購入することはない予定ですが、もしそうなった場合には手元にBifrostをおいておきますね~!

      今の所個人的にもSchiitの音作りは好きなので、気軽に手に入れられるModi Multibitでマルチビットの音を試してみたいなーとはかすかに思っていたりします。音響機器用ではなく医療機器用のチップでマルチビットをやっている、というのもロマン的に面白いですしね。

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